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葬儀後の挨拶|例文と受け答えのマナー、心温まる伝え方

葬儀後の挨拶 例文と受け答えのマナー
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宮坂
宮坂
大切な方を見送った後、遺族や関係者が心掛けたいのが「葬儀後の挨拶」です。葬儀後の挨拶は感謝や配慮を伝える大切な機会であり、故人の意思やご遺族の思いを丁寧に届ける役割も持っています。しかし、どのような場面で、どんな言葉を選ぶべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「葬儀後の挨拶」の必要性から、基本マナー、実際に使える例文、さらには受け答えのポイントまで、心温まる伝え方を具体的に解説します。

葬儀後の挨拶が必要な理由

葬儀後の挨拶が必要な理由

葬儀後の挨拶は、故人を見送った後に遺族として必ず果たすべき大切なマナーのひとつです。大きく分けて、以下の2つの理由が挙げられます。

参列者や関係者への感謝を伝えるため

葬儀や通夜には、故人や遺族のために多くの方が時間を割き、弔意を表してくださいました。その方々に対して直接、もしくは電話やお礼状で「ご参列いただきありがとうございました」「生前は故人がお世話になりました」と感謝の気持ちを伝えることは、礼儀であり、社会的な信頼関係を築くためにも必要不可欠なものです。

特に地域や会社関係など、今後もお付き合いが続く方々に対しては、「今後とも変わらぬご厚誼(ごこうぎ)をお願いします」と心を込めて伝えることで、スムーズな人間関係の維持につながります。

故人の生前のご厚意に応えるため

葬儀は故人とご縁のあった方々が集う場でもあります。葬儀後、遺族がしっかり挨拶をすることで、故人を大切に思ってくださったお気持ちや、遺族への心遣いへの返礼となります。
また、「葬儀が無事済んだことのご報告」を兼ねることで、ご縁の継続・ご厚情のお願いもスムーズになります。

葬儀後の挨拶をする場面

「葬儀後の挨拶」が必要となる場面は多種多様で、以下のような場面で行うことが一般的です。

葬儀・告別式の終了時

葬儀や告別式が終わった直後に、喪主や遺族が参列者に対して、祭壇の前や出棺前に直接挨拶を述べます。「本日はご多用のところお集まりいただき…」という形式的なものから、故人への思いを交えた温かい言葉まで、その内容は様々です。

例文

本日はご多用のところ、故◯◯(続柄・氏名)の葬儀・告別式にご会葬賜りまして、誠にありがとうございました。
多くの方々から温かいお言葉やお心遣いをいただき、家族一同、心より感謝申し上げます。
おかげさまで、無事に葬儀を執り行うことができました。
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
本日は本当にありがとうございました。

例文

本日はご会葬いただき、誠にありがとうございました。
皆さまのご厚情に支えられて、◯◯(故人の続柄と名前)も安らかに旅立つことができたと存じます。
家族一同、心より深く御礼申し上げます。
まだ不慣れなことも多く、至らぬ点ばかりでしたが、ご参列くださったお一人おひとりのお気持ちが私たちの支えとなりました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

葬儀に参列できなかった方・遠方の親族への連絡

何らかの事情で葬儀に出席できなかった方や遠方の親族・知人には、電話や手紙、メールなどで葬儀終了の報告と感謝を伝えます。特に親族には「葬儀が無事終了したことのご報告」は必要です。

例文:電話や口頭での連絡

ご無沙汰しております。突然のご連絡となり失礼いたします。
先日◯月◯日に、父(母・故人の続柄と名前)が永眠いたしました。
お陰さまで家族や近親者で無事に葬儀を執り行うことができました。
本来ならば直接ご報告に伺うべきところ、略儀ながらお電話にてご連絡申し上げます。
生前は大変お世話になり、誠にありがとうございました。

例文:手紙・はがきによる連絡

拝啓 ◯◯の候、皆様にはご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、かねてより療養中でございました母(故人の氏名)が去る◯月◯日に永眠いたしました。
葬儀は近親者のみで滞りなく執り行いましたので、ここにご報告申し上げます。
本来ならばご参列いただき、ご挨拶を申し上げるべきところ、略儀ながら書中をもってご通知申し上げます。
生前賜りましたご厚誼に深く感謝申し上げます。

例文:メールや簡易な文章

突然のご連絡をお許しください。
このたび父◯◯が◯月◯日に永眠し、家族葬にて見送らせていただきました。
ご遠方のためご案内が遅くなりましたこと、何卒ご容赦ください。
生前はいろいろとお気遣いくださり、誠にありがとうございました。
まずはメールにてご報告申し上げます。

会社や地域の関係者への葬儀後の報告・お礼

仕事関係(勤務先・取引先・上司や同僚など)や、日頃お付き合いのある町内会・自治会・近隣の方々に対して、葬儀が無事に終了したことを伝え、その際に受けたご厚意やご支援、ご香典、弔問などへの感謝を伝えます。また、葬儀に際して「欠勤のお詫び」や「今後とも支援をお願いしたい」という気持ちを表す意味も持っています。

例文:社内・同僚や上司向け

このたびは私事にもかかわらず、父(母・故人の続柄と名前)の葬儀に際して、皆様よりご厚意を賜り、心より御礼申し上げます。
皆様からの温かいご配慮のおかげで、無事に葬儀を終えることができました。
これからもご迷惑をおかけすることがあるかと存じますが、変わらぬご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
まずは取り急ぎご報告とお礼まで。

例文:会社関係者・取引先向け

拝啓
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
さて、私事で恐縮ですが、去る〇月〇日に父(または母・故人の続柄と氏名)が永眠いたしました。
おかげさまで、滞りなく葬儀を執り行うことができましたこと、ご報告申し上げます。
ご多用のところ温かいご弔意やご配慮を賜り、心より感謝申し上げます。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

例文:近隣・地域の方々へのお礼

このたびは、父(母・故人の続柄とお名前)の葬儀に際しまして、格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
地域の皆様方からの温かいお言葉やご支援に、家族一同大変励まされました。
これからも変わらぬご指導ご厚誼のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
略儀ながら、まずはお礼かたがたご報告申し上げます。

お手伝いいただいた方への挨拶

受付やその他のお手伝いをしていただいた方には、感謝の気持ちを具体的に伝えましょう。

例文

本日は、受付のお手伝いをしていただき、誠にありがとうございます。 おかげさまで、滞りなく葬儀を終えることができました。

例文

〇〇さんが受付の準備から片付けまで、 全てお手伝いしてくださったおかげで、大変助かりました。 本当にありがとうございました。

お香典返しを贈る際のお礼状

香典返しの品物とともに、お礼状を添えるのも一般的なマナーです。「葬儀後のお礼」と「香典返しのご案内」を一緒に伝えましょう。

例文

拝啓
このたびは、故◯◯(ご続柄・お名前)の葬儀に際しまして、ご多用の中ご厚志を賜り、誠にありがとうございました。
おかげさまで、無事に葬儀を執り行うことができ、故人もさぞかし喜んでいることと存じます。
つきましては、感謝の気持ちを込め、心ばかりの品をお届けいたしますので、ご受納くださいますようお願い申し上げます。
略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。敬具

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葬儀後の挨拶の基本マナー

葬儀後の挨拶の基本マナー

葬儀後の挨拶は、社会通念上の礼儀や相手への思いやりが特に求められる場面です。遺族として故人や自分自身の評価にもつながるため、慎重かつ誠実に対応する必要があります。

挨拶のタイミング

葬儀後の挨拶は、「できるだけ早く」が基本です。葬儀・告別式の当日や精進落としの席では、直接参列者に向けてお礼を述べます。

また、葬儀に参列できなかった方や遠方の親戚・知人へは、できるだけ早く電話や手紙、メールなどでご報告とお礼を伝えましょう。タイミングが遅れる場合は、その理由とともにお詫びの言葉を必ず添えるようにします。

丁寧な言葉遣い

葬儀後の挨拶では、相手に対する敬意や感謝の気持ちが伝わる丁寧な言葉遣いを心掛けることが大切です。「ご多用の中」「ご会葬いただき」「厚く御礼申し上げます」「ご厚志を賜り」など、弔事にふさわしい表現を選びましょう。お悔やみやお礼の場面に相応しく、控えめで落ち着いた口調や文章が好印象を与えます。

内容は簡潔かつ誠実に

挨拶の文章は、長くなりすぎず、できるだけ簡潔にまとめます。感謝・報告・今後のお願い――この3点がしっかりと伝わる文面が理想です。誠実な気持ちを込めて、一人ひとりに合わせて表現しましょう。

相手や状況に合わせた方法を選ぶ

挨拶の方法は、直接対面・電話・手紙・メールなどさまざまですが、相手や状況に合った方法を選ぶことが大切です。会社関係やご近所、地域の方にはビジネス文書やあらたまったお礼状が必要な場合もあります。親しい友人や親戚には、ややくだけた表現も許容されますが、あくまで礼儀を忘れずに対応しましょう。

服装・態度の配慮

直接挨拶をする際は、葬儀当日であれば喪服、葬儀後の訪問であれば地味な色合いの平服が基本です。立居振舞いやお辞儀にも気を配り、誠実な態度で臨むようにします。落ち着いた所作が相手にも誠意を感じさせます。

葬儀後の挨拶の受け答え

葬儀後、自宅へ弔問に来られた方への対応

弔問に来られた方には、まずはお忙しい中お越しいただいたことへの感謝を伝えます。 お供え物をいただいた場合は、そのお礼も忘れずに伝えましょう。

例文

相手:「この度はご愁傷様でした」

自分:「ご丁重なお言葉、深く感謝申し上げます。無事に葬儀を終えることができ、ほっとしております。今後ともよろしくお願いいたします」

「本日はお忙しい中、弔問にお越しいただき、誠にありがとうございます。」と感謝の気持ちを伝えます。 「遠方よりお越しいただき、ありがとうございます。さぞお疲れのことと存じます。」とねぎらいの言葉を添えるのも良いでしょう。

お供え物をいただいた場合

「お供え物までいただき、恐縮です。ありがとうございます。」とお礼を述べます。

弔問客には、お茶やお菓子などをお出しし、 ゆっくりと故人の思い出話などをしていただくのも良いでしょう。ただし、長居は相手の負担になるため、 適度な時間で切り上げるようにしましょう。

弔問客が帰る際には、「本日はお越しいただき、ありがとうございました。どうぞお気をつけてお帰りください。」と見送ります。 相手の状況や心情を考慮し、 丁寧に対応することが大切です。

よくある質問

挨拶や礼状の送り先はどこまで?

葬儀・告別式・通夜に参列くださった方、香典やお供え、弔電をくださった方、ご親族・親しい友人に限らず、会社関係、近隣の方などにも配慮しましょう。

葬儀後の挨拶は直接会わなくても良いですか?

必ずしも直接でなくても問題ありません。郵送・メール・電話もOKですが、できるだけ丁寧な言葉と心配りを心掛けましょう。

挨拶や受け答えを省略してしまった場合は?

可能な限り早めに挨拶状やお礼の連絡をしましょう。やむを得ない場合は「ご挨拶が遅れまして申し訳ありません」の一言を付け足すと、誠意が伝わります。

葬儀後の挨拶で気をつける言葉は?

「重ね重ね」「ますます」などの重ね言葉、「引き続き」など忌み語は避けましょう。また、暗い話題ばかりにならないように、感謝と前向きな言葉も添えてください。

まとめ

葬儀後の挨拶や受け答えは、形式的に思えるかもしれませんが、相手を思いやり、故人への敬意と感謝を伝える大切なものです。

丁寧な「挨拶」や「受け答え」を実践し、ご遺族も相手も、温かな気持ちで故人を偲びながら次の一歩を踏み出せるよう心がけましょう。

祈り、 遺族の悲しみに寄り添う気持ちを伝えることが最も大切です。 この記事で紹介した例文や注意点を参考に、 失礼のない、そして心温まる挨拶を心がけてください。