この記事では、お別れ会の意味や葬儀との違い、特に「お別れ会とは?」という基本的な部分から掘り下げ、そのメリット・デメリット、具体的な開催方法まで詳しく解説していきます。
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お別れ会とは?葬儀との違い
お別れ会の定義と目的
お別れ会とは、故人を偲び、生前の故人と親交のあった人々が集まって故人を追悼する会です。葬儀・告別式とは異なり、宗教的な儀式にとらわれず、より自由な形式で行われるのが特徴です。故人の人柄や趣味、業績などを反映した、個性的なお別れ会も増えています。
お別れ会の目的は、参列者それぞれが故人との思い出を共有し、故人を偲ぶとともに、遺族や親族、友人を慰めることです。形式にとらわれず、故人を偲ぶ気持ちを大切に、温かい雰囲気の中で行われることが望ましいでしょう。
故人の人生を祝福し、感謝の気持ちを伝えることで、参列者一同が前向きな気持ちで故人を送り出すことができます。お別れ会は、故人との絆を再確認し、未来への希望を抱くための大切な機会となるでしょう。
葬儀・告別式との違い
従来の葬儀が、宗教的な教義に基づいて死者を弔い、あの世へ送り出す儀式である側面が強いのに対し、お別れ会とは、故人の冥福を祈るというよりは、参列者が故人との生前の思い出を語り合い、感謝を伝え、故人の人生を偲ぶことに重きを置く傾向があります。
まるで故人のことを語り合う「パーティー」や「集会」のようなスタイルで行われることもあり、形式や内容は比較的自由に決められます。近年、宗教離れや価値観の多様化が進む中で、「故人らしい形で送りたい」「参列者みんなで故人を偲びたい」というニーズから、お別れ会を選択する方が増えています。
また、葬儀は逝去後すぐに行われるのに対し、お別れ会は火葬を終え、四十九日や一周忌といった節目の時期、あるいは遺族の気持ちが落ち着いた頃に、改めて開催されることが多い点も違いとして挙げられます。
お別れ会と葬儀・告別式との比較
具体的にお別れ会と葬儀・告別式にはどのような違いがあるのか、項目ごとの比較はこちらです。
比較項目 | お別れ会 | 葬儀・告別式 |
---|---|---|
主な目的・趣旨 | 故人を偲ぶ、思い出を語り合う、感謝を伝える | 故人の供養、冥福を祈る、あの世への旅立ちを見送る |
宗教性 | 無宗教で行われることが多い | 宗教儀式(読経、焼香など)を伴うのが一般的 |
開催時期 | 火葬後、落ち着いた時期(数週間~数ヶ月後) | 逝去から短期間(原則24時間後、数日以内) |
開催場所 | ホテル、レストラン、公民館、イベント会場など自由 | 斎場、寺院、自宅、セレモニーホールなど |
形式・スタイル | 自由な形式(食事、音楽、写真展示など) | 儀礼的な形式、定型化された流れ |
主催者 | 遺族、または故人とゆかりのある関係者(友人・会社など) | 基本的に遺族(喪主) |
参列者の範囲 | 主に故人と親しかった友人・知人、仕事関係者など(招待制が多い) | 親族中心に加え、故人の関係者(訃報連絡で参列) |
服装 | 平服、ダークスーツ、故人の好きだった色など(指定される場合あり) | 正式な喪服(準喪服、略喪服) |
香典・費用 | 香典辞退、会費制が多い、費用は形式による | 香典をいただくのが一般的、費用は定型化され高額になりがち |
法的な位置づけ | 任意で開催される儀式 | 火葬・埋葬のための手続きと関連 |
目的・趣旨の違い
お別れ会:宗教色を排し、故人の生前の功績や人柄を偲び、集まった人々が故人との思い出を語り合い、感謝の気持ちを伝え、温かい雰囲気の中で故人を見送ることを目的とします。
故人の人生を称え、参列者同士が交流する場としての側面もあります。
葬儀・告別式: 宗教的な意味合いが強く、故人の魂を弔い、無事に仏様や神様の元へ送り届けるための儀式です。読経や焼香といった宗教的な行為を通じて、故人の冥福を祈ることに重きを置きます。
宗教性の違い
お別れ会: 基本的に無宗教で行われます。特定の宗教儀式は行わず、故人の好きな音楽を流したり、生前の写真や映像を上映したり、参列者からのメッセージを披露したりと、自由な演出が可能です。もちろん、遺族の意向で献花などのセレモニーを取り入れることはあります。
葬儀・告別式: 日本の伝統的な葬儀の多くは仏式、神式、キリスト教式など、いずれかの宗教・宗派に則って執り行われます。宗教者による読経や説教、賛美歌の斉唱などが式典の中心となります。
開催時期の違い
お別れ会: 一般的には火葬を終え、四十九日法要が済んだ後など、遺族の気持ちや準備が落ち着いた時期に行われます。逝去から数週間後、数ヶ月後、あるいは年単位の節目(一周忌など)で開催されることもあります。事前に十分な時間をかけて準備を進められる点がメリットです。
葬儀・告別式:法律で「死体は、死亡後二十四時間以内は、これをして火葬し、又は埋葬してはならない」と定められているため、原則として逝去から24時間以上が経過した後に、通夜を含めると逝去から数日以内という短期間で行われます。訃報を受けて、すぐに準備を進める必要があります。
場所の違い
お別れ会: 形式に縛られないため、ホテルの宴会場、レストラン、カフェ、公民館、イベントスペース、学校や会社の体育館・ホール、故人のゆかりの場所など、非常に多様な選択肢があります。参列者の人数や会の雰囲気に合わせて自由に選ぶことができます。
葬儀・告別式: 斎場(公営・民営)、寺院の本堂、自宅、近年では葬儀社の持つセレモニーホールなど、葬儀を行うための専用施設で行われるのが一般的です。これらの場所は、宗教儀式を行うための設備や、弔問客を迎えるための施設が整っています。
形式・スタイルの違い
お別れ会: 故人らしいオリジナルの形式で執り行われます。例えば、
- 献花式: 参列者が一人ずつ献花台に花を供えるスタイル
- 写真展示・映像上映: 故人の生前の写真や思い出の映像を流す
- 音楽演奏: 故人の好きだった曲を生演奏したり、BGMとして流したりする
- 懇談会・食事会: 参列者同士が故人の思い出を語り合いながら食事をする
- 参加型イベント: 故人にゆかりのある品物を展示したり、寄せ書きをしたり
葬儀・告別式:通夜→葬儀・告別式→火葬という流れが一般的で、式次第はほぼ決まっています。宗教者による儀式が中心となり、弔辞の奉読、弔電の紹介、焼香(献花)などが含まれます。厳粛な雰囲気の中で行われます。
主催者の違い
お別れ会: 遺族が主催することも多いですが、故人の友人や知人、職場関係者などが発起人となり、実行委員会を組織して主催することもあります。特に、故人が生前社会的地位が高かった場合などには、会社が主体となって「社葬」として執り行う中で、お別れ会や「合同葬」という形式が取られることもあります。主催者が誰になるかによって、会の雰囲気や準備の進め方も変わってきます。
葬儀・告別式:通常、故人の遺族が「喪主」となり、主体的に準備を進めます。葬儀社と打ち合わせを行い、式の詳細を決定します。
参列者の範囲・案内の違い
お別れ会: 主催者が「誰に参列してほしいか」を自由に決めることができます。故人と特に親しかった友人や知人、趣味仲間、職場関係者など、特定の関係者に絞って招待状を送るのが一般的です。葬儀への参列が難しかった人が、後日ゆっくり故人を偲ぶ機会として設けられることもあります。
葬儀・告別式:親族が中心となりますが、故人の友人、知人、職場関係者など、生前の故人と関わりのあった幅広い人々が弔問に訪れます。基本的には訃報を受けた方が弔意を表すために参列する形です。
費用感の違い
お別れ会: 開催場所や形式、参列者数によって費用は大きく変動しますが、葬儀に比べて抑えられる可能性があります。会場費、飲食費、企画・演出費などが主な費用となります。会費制にすることで、主催者の負担を軽減することも可能です。
葬儀・告別式:会場使用料、祭壇、棺、霊柩車、人件費、宗教者へのお布施など、様々な費用がかかります。全国平均では200万円前後(飲食費、返礼品費含む)と言われることもあり、比較的高額になる傾向があります。
香典・供花・供物などの違い
お別れ会: 香典を辞退するケースが多く見られます。代わりに会費制とすることで、金銭的な負担を明確にし、遺族側も香典返しなどの手間を省くことができます。供花や供物についても、形式に合わせて自由にアレンジされることが多く、例えば供花を一つに統一したり、特定の品物のみを受け付けたりする場合もあります。事前に主催者からの案内を確認することが重要です。
葬儀・告別式: 参列者は香典を持参し、受付で渡すのが一般的なマナーです。また、弔電を送ったり、供花や供物を贈ったりすることもあります。
服装の違い
お別れ会: 開催場所や主催者の意向によって服装の指定が異なります。「平服でお越しください」と案内されることも多く、その場合はダークスーツや地味な色のワンピース、アンサンブルなどを着用します。故人が好きだった色や、思い出の品(ネクタイやスカーフなど)を身につけることを推奨されるケースもあります。事前に服装に関する案内の確認が必須です。
葬儀・告別式:正式な喪服を着用するのが一般的です。男性はブラックスーツに白いシャツ、黒いネクタイ、黒い靴。女性はブラックフォーマルに黒いストッキング、黒い靴。夏場は略喪服(ダークスーツなど)が許容されることもありますが、基本的には格式高い服装が求められます。
法的な位置づけ・義務の違い
お別れ会: 任意で開催されるものであり、法的な義務はありません。死後の手続きとは切り離して行われます。
葬儀・告別式:故人の死亡後、火葬や埋葬を行うためには、市区町村役場に死亡届を提出し、「火葬許可証」または「埋葬許可証」を取得する必要があります。葬儀は、これらの手続きと一連の流れの中で行われることが多く、公的な手続きと関連しています。
お別れ会の種類と形式

セレモニー形式
献花や黙祷、故人の略歴紹介、弔辞、メッセージビデオの上映など、厳粛な雰囲気の中で故人を偲ぶ形式です。
この形式は、故人を尊重し、落ち着いた雰囲気の中で故人を偲びたい場合に適しています。会場は、ホテル、式場、寺院などが選ばれることが多く、祭壇を設け、献花台や遺影を飾ります。参列者は、喪服または地味な平服を着用し、献花や黙祷を行います。
故人の略歴紹介や弔辞は、故人と親交の深かった人が行い、故人の人となりや功績を称えます。メッセージビデオの上映は、故人の思い出を振り返り、参列者一同で故人を偲ぶ良い機会となります。
会費制パーティー形式
立食形式で食事や飲み物を楽しみながら、故人の思い出を語り合う形式です。故人の好きだった音楽を流したり、写真や映像を上映したりするなど、和やかな雰囲気で行われます。
この形式は、故人を明るく送り出し、参列者同士が交流を深めたい場合に適しています。会場は、レストラン、ホテル、イベントスペースなどが選ばれることが多く、立食形式で食事や飲み物を楽しみながら、故人の思い出を語り合います。故人の好きだった音楽を流したり、写真や映像を上映したりするなど、和やかな雰囲気で行われます。
参列者は、平服で参加することができ、故人との思い出を語り合いながら、食事や飲み物を楽しむことができます。会費制とすることで、主催者の負担を軽減することができます。
会費の相場は、会場の規模や料理の内容によって異なりますが、一般的には1万円~2万円程度です。会費制パーティー形式のお別れ会は、故人を明るく送り出し、参列者同士が交流を深めたい場合に適しています。
法人開催形式(社葬・団体葬)
会社や団体が主催し、故人の業績や貢献を称える形式です。関係者や社員が多く参列し、故人の功績を振り返るスピーチや献花などが行われます。
社葬・団体葬は、故人が会社や団体に大きく貢献した場合に行われることが多く、故人の業績や人となりを称えるとともに、会社や団体の結束を固めることを目的としています。
会場は、ホテル、式場、イベントホールなどが選ばれることが多く、祭壇を設け、献花台や遺影を飾ります。参列者は、喪服または準喪服を着用し、献花や黙祷を行います。
故人の略歴紹介や弔辞は、会社や団体の代表者や、故人と親交の深かった人が行い、故人の功績や人となりを称えます。社葬・団体葬は、会社や団体の規模や、故人の貢献度合いによって、規模や形式が異なります。大規模な社葬では、数千人規模の参列者が集まることもあります。
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お別れ会の流れと準備
会場と日程の決定
お別れ会の形式や規模に合わせて、適切な会場を選びます。ホテル、レストラン、イベントホール、寺院など、様々な場所が利用できます。日程は、参列者の都合を考慮し、故人の逝去後から1~3ヶ月後を目安に決定することが一般的です。
会場選びは、お別れ会の形式や規模、参列者の人数などを考慮し、セレモニー形式の場合は、ホテルや式場、寺院などが適しています。会費制パーティー形式の場合は、レストランやホテル、イベントスペースなどが適しています。法人開催形式の場合は、ホテル、式場、イベントホールなどが適しています。
案内状の作成と送付
参列者に失礼のないよう、お別れ会の目的、日時、場所、服装などを明記した案内状を作成し、送付します。案内状の発送時期は、開催日の1ヶ月前を目安とすると良いでしょう。
案内状には、お別れ会の名称(例:故○○○○を偲ぶ会)、日時、場所、主催者、連絡先、服装(平服の場合はその旨を明記)、会費(会費制の場合)、出欠の返信期限などを記載します。
故人の名前や人となり、お別れ会への想いなどを添えることもできます。案内状のデザインは、お別れ会の形式に合わせて選びましょう。セレモニー形式の場合は、落ち着いたデザインの案内状が適しています。会費制パーティー形式の場合は、明るいデザインの案内状でも良いでしょう。
法人開催形式の場合は、会社や団体の格式に合わせたデザインの案内状を選びましょう。案内状の発送時期は、開催日の1ヶ月前を目安とすると良いでしょう。参列者が予定を調整できるよう、早めに発送することが大切です。
案内状の送付先は、故人の友人、知人、仕事関係者など、故人と親交のあった人々です。送付先のリストを作成し、宛名に間違いがないか確認しましょう。
当日のプログラムと進行
献花、黙祷、故人の略歴紹介、弔辞、メッセージビデオの上映、献杯など、お別れ会の形式に合わせて、プログラムを決定します。当日は、スムーズな進行ができるよう、司会者を立てることがおすすめです。
プログラムは、お別れ会の形式や規模、参列者の人数などを考慮して決定します。セレモニー形式の場合は、献花、黙祷、故人の略歴紹介、弔辞、メッセージビデオの上映、献杯などを行うことが一般的です。
会費制パーティー形式の場合は、献花、黙祷、故人の思い出を語る時間、写真や映像の上映、食事や飲み物の時間などを行うことができます。法人開催形式の場合は、献花、黙祷、故人の略歴紹介、弔辞、会社や団体の代表者による挨拶、献杯などを行うことが一般的です。
当日は、スムーズな進行ができるよう、司会者を立てることがおすすめです。司会者は、プログラムの進行、参列者の紹介、挨拶の促しなどを行います。司会者は、故人と親交の深かった人が適しています。
また、音響や照明などの手配も、事前に済ませておきましょう。当日は、参列者が気持ちよく過ごせるよう、会場の設営や案内係の配置など、細部にまで気を配りましょう。
お別れ会と葬儀・告別式、それぞれのメリット・デメリット

どちらの形式を選ぶかを検討するにあたり、それぞれのメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
お別れ会のメリット
- 自由な形式で故人らしさを表現できる: 故人の趣味や好きだったものをテーマにしたり、思い出の曲を流したりと、オリジナリティあふれる見送りが可能です。
- 比較的費用を抑えられる可能性がある: 会場や演出を工夫することで、葬儀よりも費用を抑えられる場合があります。会費制にすることで、主催者の負担を軽減できます。
- 落ち着いた時期にゆっくり偲べる: 葬儀のように逝去後すぐに準備に追われる必要がなく、遺族や関係者の気持ちが落ち着いた頃に、故人をゆっくり偲ぶ時間を設けることができます。
- 宗教・宗派を問わない: 無宗教で行われることが多いため、特定の宗教に縛られることなく、誰でも参加しやすい形式です。
- 参列者との交流を深められる: 食事や歓談の時間を設けることで、故人の思い出を共有したり、参列者同士の交流を深めたりすることができます。
お別れ会のデメリット
- 準備を自分たちで行う必要がある: 主催者が企画から手配、当日の運営までを行う必要があるため、遺族や発起人にとっては大きな負担となる可能性があります。専門業者に依頼することもできますが、その場合は費用がかかります。
- マナーが定まっていない部分があり判断に迷うことがある: 比較的新しい形式のため、服装や香典(会費)に関するマナーが伝統的な葬儀ほど明確に定まっていません。参列者が戸惑う可能性もあります。
- 参列者が集まりにくい場合がある: 招待制のため、案内状を送る相手を慎重に選ぶ必要があります。また、開催時期や場所によっては、参列者の都合がつきにくいこともあります。
- 弔いの儀式としては物足りなさを感じる人もいる: 伝統的な宗教儀式を重視する方にとっては、お別れ会の自由な形式では故人をしっかり弔ったという実感を得にくいかもしれません。
葬儀・告別式のメリット
- 伝統的な形式で故人を弔える: 故人や遺族が特定の宗教を信仰している場合、その教義に則って厳かに故人を見送ることができます。
- 法的な手続きと連動しており、スムーズに進めやすい: 死亡届の提出から火葬までの一連の流れの中で行われることが多く、手続きの面でスムーズです。
- 周囲からの理解を得やすい: 社会的に認知された形式であるため、親戚や地域からの理解を得やすく、参列者も参列しやすいです。
- 葬儀社のサポートが手厚い: 経験豊富な葬儀社に依頼することで、準備から当日の運営、事後対応まで、多くのサポートを受けることができます。遺族の負担を軽減できます。
葬儀・告別式のデメリット
- 費用が高額になりやすい: 会場使用料、祭壇、宗教者へのお布施など、様々な費用がかかり、全体的に高額になる傾向があります。
- 形式が定まっているため自由度が低い: 伝統的な式次第に沿って行うため、故人らしさを反映させる自由度はお別れ会に比べて低くなります。
- 遺族の負担が大きい(短期間での準備): 逝去後すぐに準備に取り掛かる必要があるため、悲しみの中でタイトなスケジュールで多くの決定を迫られます。
- 宗教色を受け入れられない人もいる: 参列者の中には特定の宗教に抵抗がある方もいるかもしれません。
どっちを選べばいい?判断のポイント
お別れ会と葬儀・告別式、どちらを選ぶべきか、あるいは両方行うべきか、という問いに唯一の正解はありません。故人の意思、遺族の希望、そして故人をお別れする人々の気持ちを尊重し、総合的に判断することが大切です。
判断する上でのポイントをいくつかご紹介します。
故人の意思や遺言
故人が生前に「葬儀はしないでほしい」「派手なことはしたくない」「みんなで明るく送ってほしい」など、希望を伝えていた場合は、その意思を尊重することが最も重要です。遺言書やエンディングノートに記されている場合もあります。
遺族の気持ちや希望
遺族がどのような形で故人を見送りたいか、という気持ちも大切です。伝統的な葬儀でしっかり弔いたい、静かに家族だけで送りたい(家族葬)、多くの人に故人を偲んでもらいたい(お別れ会)など、遺族間で話し合い、希望を共有しましょう。
宗教・宗派への考え方
故人や遺族が特定の宗教を信仰しているか、あるいは宗教儀式を重視するかどうかによって、適した形式が変わってきます。宗教的な儀式を行いたい場合は葬儀が、宗教色を排したい場合はお別れ会が適しています。
費用や準備にかけられる時間・手間
準備期間が短く、費用も高額になりがちな葬儀に対し、お別れ会は時期をずらせますが、企画・準備の負担は大きくなります(業者に頼む場合は費用がかかる)。費用や準備にどれくらい時間や手間をかけられるかも判断材料になります。
参列してほしい人の顔ぶれ
誰に故人を見送ってほしいか、という視点も重要です。親族中心で行いたい場合は家族葬や伝統的な葬儀が、友人や知人、仕事関係者など、より広範囲の人にお別れの機会を設けたい場合はお別れ会が適しています。
弔いの形式に対する考え方
「死者を弔う」という厳粛な儀式を重んじるか、あるいは「故人の生前を偲び、感謝を伝える」という交流の場を重視するかによっても、どちらの形式が良いかが変わってきます。
迷った場合は、複数の葬儀社やお別れ会の専門業者に相談してみることをお勧めします。それぞれの形式の詳しい内容や費用、手配の流れなどについて具体的な話を聞くことで、より適切な判断ができるはずです。
まとめ
この記事では、お別れ会と葬儀の様々な違いについて詳しく解説しました。主な違いとしては、目的、宗教性、開催時期、場所、形式、主催者、参列者、費用、服装、法的な位置づけなどが挙げられます。近年、価値観の多様化や故人らしい見送りを求める声の高まりから、お別れ会という形式を選択する方が増えています。
どちらの形式が良い・悪いということはなく、故人の意思や遺族の希望、故人をお別れする人々の顔ぶれ、宗教への考え方、費用や準備にかけられる時間などを総合的に考慮し、最も故人らしい、そして遺族が納得できる形を選ぶことが大切です。
故人との最後のお別れは、人生において非常に重要な時間です。この記事が、最適な見送りの形を見つけるための一助となれば幸いです。迷った際は、一人で抱え込まず、信頼できる専門家(葬儀社やお別れ会の専門業者)に相談することをおすすめします。
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